苺ジャム幻想/
たもつ
苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親がいた
愛は算式のように
簡単なものだと思っていた
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