くものうた/青色銀河団
 
おまえはあれが空の梯子だと言う


あけがた
透明な寺院をさまよいながら歩いていると
喜びのひとつが小鳥になって歌ってくれました
かの鳥が木の実をついばむ記憶のなかで
短いいのちが固い核のように語られます
太古の衛星都市が
いまも海の底に深く沈むさながらに


少年の仮面をつたう
ひとすじのなみだ
うつくしいたましいは
蜜柑色した悲しい背中でありました


音のなかに
浮かびあがる音楽
ぼくはまだ産湯につかったままでいるのに
電子葡萄酒 電子葡萄酒 ボルト ボルドー ジャンプ ジャンプ
ジャンプしてボールが手にあたる高さ 聖なる高さ 山や丘の傾斜地
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