白い肖像/キメラ
斑に摺れた焦茶の扉
煙を追いかけ
粗末なアルミホイルに燃え散らし
凍りついた静脈
漲る黒い太陽は
走馬燈のように
浮かんでは消える断続性に問いかけ
問いかけてはひろがる
陰惨な血しぶきに
刻まれた文字点々と
床に根付いたガラスの破片や
分別されたような
力無き注射器は語らず
ああ
ひかりの鳩よ
蒼い唇を延々とこぼした
日光更新まで
少年の頃から
毎日のように訪れた優しい部屋で
幾度泣いたのか
第一の門をくぐり
水流に移ろう印象を留めながら
一定の速度で
多面的な変化を滞空に染めあげた
あの日に
乱反射の廃絶
だだっ広い
空き地の真ん中から
片隅に燃え上がる私の寝床を観ていた
あの瞳
いつでも
乾いた呼吸に僅かな潤いとなり
吹き込んだ
いつかのエトランゼ
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