赤符号/ふもと 鈴
 


踏みしあの石の方から坂道が暮れ、くらがりに蟻の殺傷

髪しぐれ飾り窓に広がりて雨にも見えぬ線に怯えむ

かすれ目の帯解きなおす仕草より竹思わしく風もがき来ぬ

六村の時計ひとつを集め来てはがゆくしぼむ憧れ燃えた

角つくし似た二つ幅重ねては砂のお城を壊して歩く


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