系譜/木立 悟
 



菩提樹の上で交わるけだものの系譜の果てに立ち尽くす我



吼えるものただ自らに背くもの震えるけもの響くけだもの



膨れては刃のごとく雪を斬る寒さ忘るるための憎しみ



線香をふたつに折りて点けし火の直ぐにも尽きて消え去る祈り



おまえからおまえしかない闇を剥ぎ噛み砕きゆく夜のけだもの



ひとつだけ道なき道を照らす花こぼれし精に咲きひらく花



熱きもの失くしさまよう火の涙ひとりの影の歩み去る夜



こがねの子もとめることなくもとめるは内なるけもの外なるけだもの







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