カクモハカナキカナ/藤原有絵
 
ほど
世界はあんたを祝福なんてしてないさ


ここまで言ってもだ
恋人はハミングを続けている

君って一体どういう神経しているわけ?
僕の話、聞いてるのかい

僕はよけいにイライラして
だんだん虚しくなってくる


「私は君にもある神経で、君の話をきいているよ」


これが彼女の奥の手なのだ

カクモハカナキカナ
は、僕の環境ストレスだ


結局恋人一人の余裕の笑みで
こうして相殺されてしまうなんて


まったくもって

もう

言葉も無いよ



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