いつも幻が/山崎 風雅
 
 見上げた天井にそれは映る
 夜更けに甘い罪を犯す僕には
 その幻が見える

 艶やかな黒い髪の毛が輝き
 そしてまた好奇心に満ちた黒いつぶらな瞳
 僕に向って微笑んでいる

 きっとそれは天使で女神で
 僕を守るマリア様なんだ

 僕は固い約束を思い出す
 前世からの約束を
 この世に降りて忘れてしまっていた約束を

 僕に出来ること
 それは感じること
 耳を澄ますこと
 目で見て風景を胸に刻むこと
 それを美しく表現すること

 のんびり屋でめんどくさがりな僕には
 美しい幻がいつも見える


 
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