秋は心/
ぽえむ君
秋は風
そよそよと風が吹き草の丘へ
薄穂が揺れその動きに
虫たちが自分の楽器を
思うままに奏でる
秋は色
はらはらと葉が落ち野の道へ
小枝が揺れその動きに
小鳥たちが自分のパートを
思うままにさえずる
秋は時
さらさらと川が流れ赤の空へ
蜻蛉が舞うその動きに
せせらぎが指揮者に合わせて
清らに歌う
秋は心
巡り流れる季節の
わずかな時と場の中で
人は
自分の流れよりも長く
変わりゆく
それでいて永遠に繰り返す
美を知る
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