慟哭/イヴ
 
ねぇ きみ
聞いてくれるかい
一つだけお願いがあるんだ
もし僕がなくなったら
ただの一粒でもいいから
涙を零してくれないかなぁ?
いつか忘れてくれていい
すぐにいつもの笑顔になればいい
ただ一瞬でいいからさ
僕を思い出して泣いてくれないかなぁ

こんな街の喧騒の中に立ち
他人だらけの日常で生きていると
ふとそんな考えが心に浮かんで
どうしようもなく不安になるんだ
どうしようもないくらいに
自分という奴が分からなくなるんだよ
それは病にも似た感情なんだろう
ふいに湧き上がっては
ぼくを奪おうとするんだから

ねぇ きみ
聞いてくれるかい
こんな詩を書くときいつも
きみを感じずにはいられないんだよ
何処の誰かも分からぬきみの存在を

たぶんきみも同じ思いなんだろう?
一人夜の空に浮かぶ
雲の合い間消えそうな月を眺めては
泣いているんだろう
そしてこんな詩を書いてるのだろう

ねぇ きみ
聞いているかい
もし きみがいなくなったら
僕は泣きじゃくるんだろな
何処に生きたのかも分からない
きみを思い出してさ…

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