風の景色に/
霜天
ここは
風が強い
遮るものは何も無いから
私もざわざわと揺らいでしまうのです
花に昔の恋を重ねるのは
いつまでたっても抜けそうになく
風に揺らぐ花びらに
褪せた写真の中の誰かさんを
見つけ出してしまうのです
思い出に抱かれてみる
何時までもそのままではいられないけど
痛みのない旅路の中に
痛みを見つけるまでは
そのままで
ここは
風が強い
遮るものは何も無いから
暫くは心地よく揺られていられるのです
そんな都合のいい
春
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