あまやどりの停留/キメラ
くらやみの中
また携帯のひかりだけだ
通りには車の行き交う音が
すこしだけきょうの反省のような音にきこえる
ふるえていた似ている夜のかおは
きみのぬくもりみたいに温かくはなくて
オレは決まって何かを夜に守っている
10年後の空からは酸がふる
その土地での生活は
まるで苦い覚悟のような味で
甘さはすべて君だと聞く
ふたりで観た
くらやみのオリオンは架空であるなら
ふたりでオリオンを背景に裏側までもすり寄らせ
むかしばなしをしてみたい
その一瞬が10年をとかしたから
一瞬で10年をきざみ歩きだす
そんなことって
まだ残っていたんだな
最終のバスはいってしまった
あまやどりの停留だよ
星空にないていたらふと
横にきみがいたのは
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