星座の下で/チアーヌ
ったわたしにとっての自然
あの頃キスは偉大だった
体中熱くなって
透き通るような夜空に
冴えざえとしたオリオン座が
眩しいほどで
氷点下の谷間で
何度も何度も何度も
何度でも
永遠なんてないことを
あの頃のわたしはよく知っていた
今はもうすべてが
薄れてしまった
意味も愛も
何もかも!
この先もきっと
どんどん薄れていくんだろう
きっと砂粒みたいになって
現実に蹴散らされていくんだろう
そしていつかオリオン座だって
大爆発して
消えてしまうに違いない
雪さえも
暖かかった夜の
記憶なんか
もちろん最初から
無かったくらいの
感じで
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