サンセット/LEO
十月の
夕刻にしては
あたたかい風が
秋の
冬の
装いを始めた草の
乾いた匂いを運んでくる
霞がかった空は
穏やかな表情で
まだ染まるには早い
青く連なる山々に添う
静かに暮れる
その中で
異質なもののように
染まった太陽は
まあるいおっきな
オレンジみたいだ
今にも
甘酸っぱい果汁が
弾けそうだよ
オレンジ色の、
ずっと見ていた
背後に迫る夜と
まだ見ぬ朝との間で
動けないままずっと
沈みきった太陽に
遠くを思う
私が見送った太陽を
ほら
いま
誰かが
笑顔で迎えてくれた
戻る 編 削 Point(22)