裏川/RT
 
流れたくない、と
川がつぶやいたのを
聞いた詩人がおりました

詩人は
風が流れる詩を颯爽と
星が流れる詩を朗々と
時が流れる詩を粛々と
うたい紡いでは
流れる素晴らしさを川に説きました

川は
涙を流しながら
疾うに流れ去っており
詩人の目の前には
ただの川がただただ流れているのでありました


戻る   Point(3)