空へ空へ。/渕崎。
意思は無関係で、そのレールの上からはみださず一定の成績すら保って生活していれば両親は何も文句を言わなかったから、あえて反抗などという面倒な真似はしなかった。
つまんなくない?と彼女は当然のことながら訊いてきて、当然のように僕は、つまらないよと返した。
皮肉にも澄み渡った青い空の下での会話だった。
彼女と屋上で実りのない話を続けて数ヶ月がたち一年がたち二年目に入ろうとする冬の日に、彼女はやはりいつもの調子で僕に問いかけた。
――死んだら人間って少し軽くなるんだって。
――ふぅん。
――その軽くなった重さはね、魂の重さなんだって。
――……。
正直どうで
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