「 目覚めのひととき 」/椎名
 
眠りから覚めたばかりの目で
カーテン越しの空を見つめる
青空も
太陽も
何だか他人の顔で

戦線離脱したあの日から
自分の未来は
カーテン越しの光のようだと
溜息ひとつ
煙草の煙くゆらせながら
溜息ひとつ

未来なんて
自分で作り出すものなのだと
言い訳みたいに言い聞かせてみるけど
なんだか
いまひとつ力が入らず

立ち上がろう
敗北者に成り下がるには
早すぎる
立ち上がろう
まだ動く手足と
考えられる頭が残されているじゃないか

立ち上がろう
人生を諦めるには早すぎる
煙草を揉み消し
冷茶を飲み干して


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