Let it be/古河 セリ
 
異国の風が海原を越えて
俺に吸い込まれ膨張する

暁の光が屈強な雨雲にさえぎられ
細やかな雨が、露とざす街へ静かにささやいて

永遠を 
嵐のような

俺の歌は空に拡がる 
届かぬ願い抱えた少年の眼差しが訴えてくる

ただ一本の視線を
心の中の闇の海へ置いて

埋マラナイ、ココニハ何モナイヨ、
ママヲカエシテ、生キタイヨ 

少年よ

乳房よりも偉大な
神様よりも偉大な
唯一無比の存在を証明しなよ

俺ははいるから
闇女も連れて生きなよ

河底に横たわる影姫を知ってるかい
南へ南へ流れて漂って
そして水鳥の群れをいつも抱きしめている
そんな強くて優しい、お姫様さ

一緒に鑑賞しに行こうか
視線の上に、俺と同じ空と海が広がっているよ

戻る   Point(5)