風、とまどう鳥よりも/
たりぽん(大理 奔)
波、砂、鐘の音
流せ、流せ、流せ!
あなたを透明に変えた
あの時間よりも確かに
思い出をつなぎとめるためではなく
すべてをつなぎとめるために
私は言葉を生み出したけれど
いつの間にか星闇が気配を包み
大気圏の行き止まりで
石ころが星に流れる
とまどう鳥が
不安な声を上げる
声は風にのまれ
すべてにとどき
誰にも届かない
すべてをつなぎとめるために
私は言葉を生み出したけれど
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