自由への航海/atsuchan69
 
ただ大海原に船を浮かべるだけでよいのさ、
しかしおまえ達が乗り込んで来る日にゃ
女どもをカッサラッテ来た日にゃ
そして海のうえで暮らすためにゃ、
覚悟がいるゾ、おまえ達よ。

「ザワークラウトの詰まった大樽を積込め!
甲板を磨け、マストによじ登れ――
継接ぎの帆を張って、よいか船出するぞ

見飽きた男爵芋に芽吹いた恋よ
茹でたオクトパスを刻んで塩漬けだ!
林檎に湧いた青虫だって食ってやる、
いつか俺の背中に羽でも生えるというものさ

女、子供に容赦はしない
「だが、そこの可愛いお嬢さん
縫い物は上手いのか?
繕いものは達者か?
――出来るなら、どうか頼む。

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