ではにごる/黒川排除 (oldsoup)
 
くすむ孤児院の支柱誰かである時間

鉄吹雪やんでくれ動悸がとまらない

かんむり授かる牙 まみどりからやりなおし

目が冴えて月光よりも静かな猿

もう末代本能寺から髪の傷み

草焼く煙に雨シンナーのにおいする

信じやすい神経は竹時効まで

みずばしらくらげなきあとすきとおる

空の桶打つ音に懐かしく峰迫る

喪服に丁寧に肉体を収めて畳む

欠期にはクレヨン撒くよ野原の真ん中

ぬれぎぬ落ちた音し振り返り見れば猫

歌をみずうみで解きほぐすひとりごち

突風で軋む荒野にひと住むべく

夜に瀕しなお自らに空も課し

種焼けた場所見上げれば鳥の群れ

強き昼の量に強いられおとこの妊娠

円錐はちりあくたと嵐の中

ルビー浮く不審者自身を軌跡とし

はじめての肉体は葡萄飛び降りる
戻る   Point(4)