クローディアの死んだ日。/もも うさぎ
 
期を知らない。




指輪がなかったことがクローディアの力を弱めた。
少なくとも、あの奇跡を目の当たりにしたあたしには分かる。

そしてあたしは、クローディアから逃げたのだ。




本当は分かっている。それはあたしのせいではないこと。
クローディアはあたしを責めたりはしていないこと。


でも、死というものは、
足音を少しずつ大きくしてこちらに向かう。

クローディアのような魔女にも、それは同じだった。

死は、けして美しいものではない。



あらがってあらがって、
醜く人は亡くなっていく。

それが正しい。






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