雨の日の冷蔵庫/ぽえむ君
雨の日の冷蔵庫は
扉を開けるのが
いつもよりもどこか重たくて
暑い日よりも
その冷たい空気が肌に伝わる
建物の中の
頑丈なまでのその箱は
激しく雨が降ろうとも
そのリズムを変えることなく
その使命を遂行し続ける
窓越しから見る嵐は
葉を大きく乱し
時には枝をも折る
窓際に置かれた冷蔵庫は
常に一定に
平等に風を送り続ける
ガラス一枚
壁一つのわずかな面が
混乱と秩序の世界を
大きく裂いている
冷蔵庫の中は
取り出した牛乳パックが
コップ一杯の量だけ
減っただけである
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