川面思考/
深月アヤ
川面に跳ねる無数の虫たち
深い底の
引力に抗って
跳び続けなければ
直ちに飲み込まれ
消える
嵐の夜の虫たちは魚となり
晴れた日には姿を隠す
掬うのは
網ではなく 瞳
ほんの一瞬目を離しただけで
非日常から日常へ
五感が肩に乗った時
それは途切れ
虫も魚も空からの回帰と知る
底に 沈む時がやって来る
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