「 苦悩 」/
椎名
うそつき
うそつきと囁きながら
言葉が逃げてゆく
夜と朝の狭間で身悶えする
眠れぬ夜に熱るこころで
言葉が逃げてゆく
うそつきはだあれ
うそをついているのはだあれ
みんなほんと
みんな真実
ただ
きっと自分に嘘をついてる
ああ
ああ
恨めしいこのこころ
このからだ
夜にもひたれず
朝にも拒まれ
うそとほんとの狭間で
身悶えする
言葉に見捨てられ
眠りに突き放され
まるで
永遠にも思える
空間を彷徨いながら
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