風の軌跡/水無瀬 咲耶
 
僕らの闘いは
風の名残にすぎないのだろうか
苦しいけれど この道をゆこう
昨日までの限界を彼方へ殴り捨てながら

((もっと巨きな存在が いざなっている
  その枯れることのない千の眼差しで
  宝を人生のそこかしこに散りばめて))

僕は虚空に叫び続ける
この身体から眩い光が解き放たれる
その瞬間まで
殺せないほど熱いこの胸の渇望が
あの空の高みへと 
足元の大地を押し上げてくれるだろう

((世界が耳を傾けるまで
  君よ 一緒に走らないか
  心臓破りの丘を駆け抜けて))

ほら 少年のころに見ていた夢が
もうそこまで 迎えにきている


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