牛丼屋/山崎 風雅
 

 人生という一つの時
 さまざまに彩られし人生

 怪物に会うこともある
 仏にあうこともある

 こんな真夜中に寝られないで
 カチカチ音を立てて
 不埒な詩を書く者もいる

 真夜中の牛丼屋
 タクシーの運ちゃん
 求人誌を見ながら食事するお兄ちゃん
 仲間が集って談笑する若者

 独特の安心感が満ちる

 僕は独り灯りに集る虫のように
 牛丼屋に吸い込まれる

 注文してすぐ出てくる牛丼
 いい感じ

 昼間では味わえない
 曼荼羅の一部になった気分

 明日も早いのにね
 目が冴えてしまうんだよ

 コマーシャルでは
 最大の勝利は自分に勝つことだって
 
 なんのために生きてるんだろうね
 学校で教えてくれたらいいのにね

 数字ばかりがやけに目がつく現代
 浮世の戯れ
 自分の弱さを味わって食べる牛丼



 
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