蛇行/千波 一也
人それぞれに歩みは異なり
知ってか知らずか
寄り添い或いは遠ざかり
ときには
いずれが頭であるのかを迷いながら
もしくは迷われながら
人それぞれに
異なる歩みは終わらない
かくして蛇行は
かならずどこかで
重なり
交わり
その一点は出会いと呼ばれ
人それぞれに異なりを覚えゆく
そうして
蛇行は
とどまるはずもなく
いたみと優しさと温もりと
人それぞれにわかれを歌わせながら
異なる流れをめぐりゆく
遙か
頭上をゆく風の尾をつかまえた気で
偶然という名を与えるべきか
必然という名を与えるべきか
こころのままに
揺れてみるといい
その
無
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