記憶/記録/加藤小判
暗闇
の中で見開かれている
一つの目
暗闇
そのものであるかのような
黒い目
僕はいつも
その目に見つめられ
全てを記録されている
カラダノウゴキ
ココロノウゴキ
カンガエタコト
カンガエテイルコト
まるでビデオカメラのように
無機質な視線が
見えるものも
見えないものも
一度に記録してゆく
僕は
その目から決して逃れる事ができない
隠れても現れても
食べても排泄しても
死んでも生まれても
確実に記録されてゆく
もっともちっぽけな数字に
全てを置き換えられて
アル/ナイ
イル/イナイ
ヒラク/トジル
最初の瞬きの瞬間から
すべては始まったのだ
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