荒川洋治を読んでみる(三) 『ながあめの自治区を』/角田寿星
めたりすること。間欠(間歇)泉のケツです。
「ほらぶかい概量の青」…うーむ、独特の表現だね。「ほらぶかい」は、中国語に「洞深」という言葉があるようです。意味は、洞穴の深さ…あー、苦労して調べたのにー。概量は、おおよその量でいいでしょう。
「しめった山繭」…はっきりとシルクロードを意識しています。ただし寧夏回族自治区は、古来のシルクロードからは外れてます。起点は西安だからね。きっと荒川は、後の詩の主題になる北京〜包頭〜銀川〜蘭州の包蘭鉄道を、現代のシルクロードに準えたんだろうね。
「自治の端城」…「はじろ」と読みます。本城に付属する小さな城で、支城、枝城とも言います。拡散した水や意識、自治区に散らばる城のイメージ。
「好個の」…ちょうどよい、という意味だってさ。
「布達」…ぬのたち、と読んではいけません。「ふたつ」と読みます。官庁とかが、一般に公布する知らせのことなんです。
…それにしても美しい詩だと思う。
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