無言のまま語る彫刻/こめ
自ら檻の中に入って
ビクビクしながら水道から
水滴の落ちる音を数えていた
定規で正確に書いたはずの
直線は曲がって一個の円になった
目から流れる涙には
思いが100詰まっている
スッポットライトを浴びている
どこのだれがつくったのかわからない
男の彫刻は無言のまま語っていた
世界を眺めながら
手を伸ばせばそこにあったものが
今は無くて途方にくれながら
なきじゃくりながら必死で捜した
手探りで闇の中を捜してたら
一時の光が見えて
そのまま世界が止まっていった
もし君がそこにいるなら教えて欲しい
僕が君にとっての何かをね
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