ひとひらの紅葉/ぽえむ君
 
雨が通り過ぎた朝
ちいさな秋が浮かんでいた
ひとひらの紅葉

雨が上がったばかりの空の中
道ばたの水溜りに
ちいさな秋が泣いていた
黄色い紅葉

地に落ちるのなら
土の上に
草の上にと
小さな秋が悲しんでいた
哀れな紅葉

晴れてきたら
水が乾き
コンクリートの上に
座らせられてしまう
小さい秋が痛がっていた
つらい紅葉

空が青くなってゆく
全てが空に顔を向けているのに
小さな秋だけが
うなだれていた
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