純情/水在らあらあ
、それから銅鑼も、できたら
じゃあね博士
またね
外に出たら日は落ちかけていて
入り口を丁寧に隠して
歩き出す
街に向かって
途中見たこともないオレンジの
きのこが生えていて
それを手にとって
かじって
しばらく歩いてたら
響きが強くなって
歩いていられなくなって
しゃがんで
夕日が燃やしはじめて
夕日がぜんぶ燃やし始めているのに
体の中が
冷たい魚で ひしめいて いて
冷たい魚
冷たい魚、
そうさ
それだって
それだっておれの純情だ
君にたいする
いや
それが 俺だ
冷たい魚
冷たい魚を
かじったんだろう
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