昨夜連詩に参加して/佐々宝砂
 
五から自由になって唄うこと。七五の呪縛を払おうと、必死になってはみるものの、批評だろうと詩だろうと、そこに言葉がある限り、私の頭脳は七五を好み、七五の枠から離れない。どう足掻いても離れない。

日本語リズムの新鋭は、村上春樹の文と言う。それは確かにリズミカル、しかし七五じゃないそうだ。私は春樹の本を買い、それを音読してみたが、なんだかリズムがわからない。私の調べは七五調、それを崩さにゃリズムに乗れぬ。村上春樹のリズムに乗れぬ。

それはわかっちゃいるけれど、私を縛るこの七五、なかなか崩れてはくれぬ。崩せないからやけっぱち、こんな文章書いてみた。誰か私を助けてよ、七五七五の呪縛から、七五七五の魔物から。ああそうなのだ、そうなのだ。七五は魔物、魔性のもの。

魔性を手繰り魅入られて、魔に操られ魔と化して。七五の闇にたたずんで、あなたを誘うこの私、七五の手先である私。
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