雀/
佩慈の工人
卵の殻を拾った
石のない小さい場所を取り合っている
雀の声はきれいだ
枯れた柏の葉が繁る窓までの透き間に集まって
空は見ない
布団の間に押し込まれていたのは、つぐみだから平気。糸を引いて、この屋根をはずそうか。かびた壁も。月も陽も見えないはずれた窓だけ残る。この距離は危ないよ。言ってみても、逃げない雀は巣を作る。
「ぴって轢いちゃったのよ、雀。こどもとかいたのかな」
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