秋は夕暮れ/渕崎。
目に痛いほどの曼珠沙華。
秋桜はそよそよと秋風に揺られ咲いているのでしょうか?
時計の短針が2時を少し過ぎた頃、洗濯物を取り入れようとベランダに出ますればまろやかな空気とは裏原にまだ夏を残す強い日差しが素肌を焼きましてわたしはその眩しさと暑さにそっと目を細めます。
この肌はたいそう日差しに弱くできていますので、長時間秋の存外強い日差しに晒されればきっと熱を孕んでひりひりと軽い火傷を起こすでしょう。
首筋に感じる日差しの強さをそこここに、急いで洗濯物を取り入れればそっと嗅覚を刺激するのはなれた洗剤の香り。
これは母親の匂いにも似ているように感じます。
からりと乾いた洗濯物をた
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