小さな家/
tibet
ち
煙突のある小さな家から男が出てきた。
空には銀青に輝く魚たちが風に任せて浮かんでいた。
ベージュのシャツを着て、ワインレッドのコーデュロイをはき、焦げ茶のカーディガンを羽織っていた。丸メガネはもちろんかけていた。
男は大分長い間家の前で立っていた。かなりの時間をそこで過ごしたが、一番星が出る頃には家の中へ戻っていった。
中へ入る前に、屋根の上で猫が寝ているのを、少し家から離れ、背伸びして確認した。
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