say/れつら
 
はある意味で孤独死だ
けれども我々はみんなそうなると思えてしまったので
誰もが顔を見合わせて誰かを責めたりはしない
いとうさんが罪を均等に分配した結果だ
いや
いとうさんは罪を適切に分配して
その結果我々は均等に緊張した
いとうさんだけがひとしくなかった
しょうがないから我々全員でいとうさんにちょっとずつ罪をくれてやった

目をあけるといとうさんがいてびっくりした
いとうさんは俺を少々馬鹿にしてその後も結構な量の酒を飲み
つまみを食いながらそれを運んできた店員にダメ出しをして
でもつまみに関しては納得していたようだったのでたぶん生きているなこの人、と思った
その時はそう
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