Another Ending(1)/和歌こゆみ
明け方、安らかな寝息で目覚める。
どんなに激しく罵りあった夜でも、
疲れ切って眠った無防備な横顔だけで、
なにもかも許してしまえるような気がした。
私はその頃から決して、いわゆる『尽くすタイプ』の女ではなかった。
けれども、彼がまだ明るいうちから眠ってしまったような日には、
彼が好んだスポーツドリンク
(当時は水のように、よく飲んでいた)
を買うため、近くのコンビニまで足を運んだ。
彼がいつ目覚めてもいいように。
疑問を感じたことは一度もない。
当たり前だと思ってた。
ちがう。
もしかしたら、考えたことさえなかったのかもしれない。
『
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