最終行まで/岡部淳太郎
 
凝縮する

雨に濡れたモラトリアム
雨の中のコンドミニアム

またしても 雨
いつまでも 雨

涙雨 などというものを
いったい誰が考え出したのか
僕たちのためになど
世界は泣いてはくれないというのに


?

(       )

一行目でさえも
満足に書き始められなかった僕たちは
いまだ遠い 靄の中にある最終行を
不眠の頭で思い描いては
自らがどんな一行目を書き記していたのかを
忘れてしまう

(       )

一行目から 何行目になるのか
ここに来るまで
満足な言葉を書き記したことなどなく
不精な気持ちで思い悩んでは
自らが次
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