☆74 ヤスワイン/
貴水 水海
白いテーブルクロスに
赤いしみをつけちまった
俺が愛飲する
300円の安ワイン
それを飲みながら
真夜中
無音の部屋
離れ小島みたいに
静かな中で
薄荷煙草をふかす
俺が一番落ち着く時
俺が一番ホッとする時
はっきり言って
そういう俺が
嫌いだし
許せないこともある
自分のことなのに
自分がすごくイヤだ
テーブルクロスに
赤いシミが広がる
俺の闇も
少しずつ広がるのか
もう広がりようがないだろう
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