唄声。/
狠志
夜の駅前で、響く弦も。
かれた声の唄も。
イヤホンから流れる、完成された唄に、
かき消された。
夜の闇も、彼を飲み込もうと、
段々と、暗くなっていった。
こんなもんなんかな。
イヤホンから流れる唄を、僕は口ずさんだ。
そして、目を瞑った。
僕の唄も、夜の闇に飲み込まれるのだろう。
だったら、唄おうじゃないか。
僕たちが、居なくなるまで。
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