aquarium/半知半能
 

入り口前の広場
彼女と僕だけがまた
残った


水族館から締め出され
て、
どちらが内側外側だったかが
わからなく
なり、
上がったり下がったりする水圧

耐えられなくなって
しまって、
誰もしゃべらないから
音が無いのだ、なんてことも不明、
そして
手を繋いでいたことを
思い出す。

思い出しては忘れ、
黒い子供はもういない

いない

まるで
浅い呼吸を覚えた金魚のような
必死さで、
我に返ると僕は彼女を拾って
家に帰った
大きな水槽で一緒に眠る、
次は君の番


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