aquarium/半知半能
、
入り口前の広場
彼女と僕だけがまた
残った
、
水族館から締め出され
て、
どちらが内側外側だったかが
わからなく
なり、
上がったり下がったりする水圧
に
耐えられなくなって
しまって、
誰もしゃべらないから
音が無いのだ、なんてことも不明、
そして
手を繋いでいたことを
思い出す。
思い出しては忘れ、
黒い子供はもういない
いない
まるで
浅い呼吸を覚えた金魚のような
必死さで、
我に返ると僕は彼女を拾って
家に帰った
大きな水槽で一緒に眠る、
次は君の番
戻る 編 削 Point(1)