片足の雀/ぽえむ君
 
少年は宿題をやらなかった
先生から言われた居残りは
いつものように嘘泣きすれば
みんなと一緒に帰れることを知っていた

交差点で友達と別れた帰り道
不自然に動くものが
彼を横切る

何の不幸があったのか
その雀は片足だった

バランスが悪いのだろう
飛び方がぎこちない
食事をしようと乱れ落ちると
他の雀が彼を攻撃する
逃げようと飛び立つと
二羽か三羽で追いかける
明らかに突き落とす飛び方だ

自然の世界の厳しさが
空を悲しくさせた

それでも彼は食べなくては
生きてはゆけない
身体を突かれながらも
食事を突く
涙を流す暇などない

少年は生まれて初めて
本当の涙というものを知った
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