やせっぽちのあいつ/ZUZU
背の高いやせっぽちのぼくのともだちが
しろい坂道をくだってゆき
曲がり角を折れてそのまま
消えてしまう
そんな夢をみた
ぼくは追いかけなくちゃと
いっしょうけんめいころがるように
追いかけて
曲がり角の手前で追いつき
やせっぽちのあいつの肩をたたいた
あれは…なんだっけか…
あれさ…きみの好きな歌。
なんだっけ?
それが知りたくなったんだよ。
とても知りたくなったんだ。
歌っておくれよ。
ねえ。
お願いだから。
川のすこしだけうえを
まっすぐな風が平行にわたっていくと
きらきらした魚がおなかを空にむけて
無数のせつなさがあわつぶのよ
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