黒頭巾ちゃんとびっ○りドンキー/チアーヌ
 
疲れていました。
バカが多すぎるのと、嫌いな人が多すぎたからです。
でも、そんなことは、どこの職場に行ってもよくあることだと、黒頭巾ちゃんはわかっていました。
わかってはいたけれど、それでも疲れることってあります。

運ばれてきた金色のビールに、黒頭巾ちゃんは目を吸い付けられました。
そして、自分でも気が着かないまま、ついごくごくと、それを一気に飲み干してしまいました。

そのとき。
「カチリ」

頭の中で音がしました。

そのあとのことを、黒頭巾ちゃんは、順序だてて覚えていません。
何杯のビールを飲んだのか、いつ、隣のテーブルの男の人に話しかけたのか。
黒頭巾ちゃ
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