「熱射する朝」/do_pi_can
 
アスファルトはもちろん
六甲山の山並みも、ヨットハーバーも
歩道橋も、イカリスーパーも、スーパーのトレードマークの
「錨」の横に捨てられている小犬達も
スペイン土産にもらったチョコレートに混入されていた
金髪は、昨夜の情熱の名残の陰毛だろうかという
くだらぬ僕の妄想も
全てが溶けてしまいそうな朝
きなりのシルクの日除け傘をさして
陽炎のように歩いてくるあなたは
ふと、すれ違う車をよけるようにして
電信柱の陰に身を隠して、そのまま
傘だけが風も無いのに飛ばされていく

僕は、人目もはばからず、電信柱に問い掛ける
「何故?」
何故、隠れるのですか


「怖か
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