ぽえむ君−秋風−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

その季節にはその季節でしかなく
その人にはその人でしかない

今日もまた

夜の散歩をしていると
秋風に出会いました

その風は
暑くもなく寒くもない
夏でもなく冬でもない

その風は
金木犀の香水をつけながら
鈴虫の音にあわせながら
大地に流れてゆく

夜の秋風
風に撫でられたその場所は
静かに夜の眠りへと誘われ
明日への連続を
夢の中へと引き込んでゆく

その風は
まさしく秋にしか吹かない

その風は
言葉でもなく絵画でもなく
心を和ませ黙らせてゆく

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
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