伝言/tonpekep
秋がわたしをとおり越す
わたしはわたしを置いてゆく
いつのまにかわたしは
残されたものをふりかえっている
ずいぶんと昔が重なりつづけている
重なったところどころのすき間から
青いものが見え隠れする
たくさんの空があったことを覚えている
たくさんのみうしなった人を覚えている
ときどきわたしはそういう中で
暮らしているような
とおい隔たりをわたしの中に見る
しずかにだれかを祈ってみる
しずかにキーをうち続けている
一斉にメールを送信したりする
あずかった
秋を伝えるために
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