暗黙の了解/暗闇れもん
 
ぽっかりと空いた

ある日起きたらお腹に大きな穴があった

拳が入るくらいの大きさ

いつも行われるちょっとした出来事のせいで
ついにかと溜息を付く程度の何ともあっさりしたものだった

ご飯を作らなければならない
今すぐに

それがここ数年の暗黙の了解

少しも痛むことはない

不思議といつもより心も晴れやかね

朝日が差し込むテーブルの上に

味噌汁とご飯と玉子焼きは甘め

そろそろ起こす時間になったわ

これも暗黙の了解

ねえ、起きて、

後数秒後であたしの頭に拳が振り下ろされるのでしょう

ここ最近の暗黙の了解

泣いているの、はじめてじゃない

嬉しいけれど

何だかとても悲しいの

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