一人ぼっちじゃない/ajisai
雷鳴が轟き滝の様に雨が流れる深夜
その子はこの世に産声を上げた
喜ぶ父親や親族もなく
母親もこの子を産み落とすと
力尽きてなくなってしまった
この子は一人ぼっちでこの世に生まれた
嵐の夜から数年が過ぎさった
引き取り手の分からないその子は
孤児院に引き取られていた
嵐の前の晩に旅してきたマリーという
母親が生んだ事意外素性が全く分からず
父親も全く誰か分からない
周りの子達からは呪われた子と罵られた
僕は子供ながらに思うのだった
どうして僕は生まれてきたのだろう
辛いばかりのこの世の中に
僕を
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